先日、いつもお世話になっているT材木店のT社長から素敵な本を紹介していただきました。
『今さら人には聞けない木のはなし (日刊木材新聞社/林知行著) 』
-人は死んだらどうなるか
人間の体重の18%が炭素であるから、例えば体重50kgの人なら、9kgが炭素である。
人が火葬されると、人体を構成していた炭素が、二酸化炭素となって空気中にばら撒かれる。まさに、数え切れない炭素が世界中に拡散していくのである。
立命館大学の安斎育郎教授の計算に基づくと、体重50kgの人の炭素【人】が地球の空気中にくまなく拡散したとすると、1リットルの空気中に、炭素【人】が約8万8千個も存在することになる。
それが光合成によって植物に吸収される。つまり、炭素【人】は炭素【植物】に生まれ変わるのである。もちろん、炭素【穀物】のように動物に食べられることによって炭素【動物】に生まれ変わるものもある。
さらに、炭素【木材】のように長期間固定された後に元の循環の輪の中に戻っていくものもある。
炭素はまさに「輪廻して転生している」のである。
あなたのご先祖様の体の一部であった炭素【ご先祖様】も、至る所に存在していることになります。輪廻転生を経て、空気中に戻ってきているものもあるはずです。
なぜ巨樹・巨木に生命力を感じるのか、なぜ鉄筋コンクリート製のお寺や神社にはありがたみを感じにくいのか、なぜ国産材の方が親しみを感じやすいのか、そんな疑問は炭素ご先祖様の存在を考えれば説明が付くのではないでしょうか。
林知行著/今さら人には聞けない木のはなし、新・今さら人には聞けない木のはなし より抜粋
「木を切って、大切な人の亡くなった頃の年輪を見ると、大切な人がそこに居る。そうゆう思いで木を扱うと違うよね。」とおっしゃったT社長。
素敵な本を紹介してくださってありがとうございました。
『今さら人には聞けない木のはなし』は今から約10年前に、続編『新・今さら人には聞けない木のはなし』が約2年前に出版されています。それぞれに、501話ごとに読み切りになっているので、気になるテーマを目次から選んで読むこともできます。
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